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HOME>>メンタルヘルス最前線>>境界性人格障害とは パート2 第7回 境界性人格障害 パート2
さて前回では境界性人格障害の特徴などをレポートしました。患者さんはパートナーや家族のちょっとした一言で感情を爆発させたりします。「いつもやさしいのにそのときは態度がそっけなかった」などのとても些細な理由です。周りの人のちょっとした態度の変化が非常に気に障るのです。 家族だけではありません。医師に対しても攻撃的になることがあります。「先生は何にもわかってくれない!それでも医者なの?」と気に入らないことがあると憤慨することがあります。ではいったいどうしたらよいのでしょうか? 基本は紳士的な態度で接することです。「何だそれなら簡単だ」とおもわれるかも知れませんが、それがなかなか難しいのです。理由は患者さんはひどく挑発的なことを言ってくるからです。「あなた本当に医学の勉強したのですか?こんなこともわからないのですか?」など見下すような態度でまくしたてます。自分も正直言っていらいらすることはたくさんありました。しかしこの挑発にのってはいけません。患者さんは治療者がきらいで怒っているのではないのです。抑えられない感情を治療者にぶつけているだけなのです。穏やかに話を聞いているとその後患者さんも穏やかになります。そして自分の気持ちを素直に話し始めます。すこしずつ自分をみつめることで症状はよくなっていきます。 他の治療法としては薬物療法があります。境界性人格障害はときにひどく気分がおちこんだ状態になるため、「うつ病」と診断されることがよくあります。しかしうつ病との違いは、その持続期間です。境界性人格障害の場合は、数時間から長くても1日で気分が変化します。 そのため抗うつ薬が処方されることがあります。しかしときに副作用で気分がハイテンションになったり、感情が余計にコントロールできなくなったりします。私の患者さんの一人は、副作用で全く別人のように変化したかたもいます。抗うつ薬は慎重に処方しなくてはいけないとつくづく思います。使う薬は気分安定薬といって気分の波を安定させるものをつかいます。「楽になった」と落ち着きを取り戻す方もいます。自分の病気は何なのか知ることは非常に大切だということです。 また大切なのは家族のかたの接し方です。 患者さん本人の言葉や態度にたえられず「いいかげんにしなさい!」とキレテしまうことも多いです。すると患者さんも余計に不安定になってしまうのです。無理もありません。毎日接しているとストレスもかなりのものだからです。また私の印象では、家族の中にも同じような症状を持った方が多いですね。最近の研究でも遺伝的な要素がかかわっているという報告があります。そのため患者さんのいらいらを受け止めることができず爆発してしまうのです。家族カウンセリングも治療のひとつとして大切なのです。 最近脚光をあびている治療法はアメリカで開発されたものでDBT(弁証法的行動療法)とよばれるものです。これは東洋の禅の考え方をとりいれたもので、感情をコントロールする方法を学ぶのです。研究でも症状が改善されたとの報告があります。これに関する本がいろいろ出版されているので興味があるかたは読んでみてください。堀江賢治 |
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