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HOME>>メンタルヘルス最前線>>境界性人格障害とは 第6回 境界性人格障害とは境界性人格障害とはいったいどんな病気なのでしょう?外来でも非常に多く見かけます。アメリカでも全人口の2%にみられるといわれます。そしてそのほとんどが女性です。ひどいときは刃物で自分を傷つけることもあります。患者さんの3〜10%が自殺するといわれています。自分にだけではありません。他人にたいしてもはげしく攻撃的になることがあります。時には食事が食べられなくなったり、そうかと思えば激しく過食したりします。なんだか恐ろしい病気ですね。 境界性人格障害の特徴をまとめると以下のとおりです。
普通私達はいやなことがあったり、いらいらすることがあっても理性である程度コントロールします。脳の前頭葉がそのはたらきをつかさどっています。しかし境界性人格障害はそれがむずかしいのです。感情が抑えることができず爆発してしまうのです。極端になると刃物で自分の手首を傷つけたりします。市販の風邪薬を何十錠も一度に飲んでしまうかたもいます。非常に危険な病気なのです。命をおとしてしまうこともあります。しかし本人は本当は死にたくはないのです。ではいったいどうしてこのような行動をとってしまうのでしょうか? 境界性人格障害の患者さんにとってこのような危険な行為は周りに対しての強烈なメッセージなのです。「自分のつらさをわかってほしい」、というメッセージなのです。 境界性人格障害の患者さんにとって一番つらいことはなんでしょうか。周りの人に精神的に傷つけられることです。周囲が実際には傷つけるつもりではなくても、患者さんは「自分が冷たくされた」「自分は存在価値がないのだ」と激しい自己嫌悪におちいります。まわりのひとの患者さんにたいする印象は「はれものにさわるようだ」といいます。周りの人にとっては本当に些細なことで感情が爆発してしまうからです。 境界性人格障害の患者さんは孤独になることをはげしく嫌います。それを避けるためにきちがいじみた努力をします。複数の異性と性的関係をもったり、薬物を乱用したりします。 それではどうして境界性人格障害の患者さんの心はこんなにデリケートで不安定なのでしょうか? それは、幼児期の体験に原因があります。患者さんの多くは幼児期に虐待や無視など安定した親の愛情をもらわず育っています。「親が弟だけを可愛がって自分にはつめたかった」などよく聞きます。安定した愛情の欠如が一番の原因なのです。私達は普段は意識することはありませんが、子供の頃親から沢山の愛情をもらって育ってきたのです。愛情なくては私達は生きていくことはできないのです。親からだけではありません。兄弟から、親戚から、また恋人から、私達はお互いに愛し、愛される生き物なのです。 そのため境界性人格障害の患者さんは愛情を与えてくれるパートナーをたえずもとめます。患者さんがえらぶパートナーもまた不安定な人が多いといえるでしょう。パートナーもまた暴力的であったり、依存的であったりすることがおおいです。そのため安定した関係を築くことは大変むずかしいのです。 境界性人格障害の患者さんは自分の気に入った人をみつけると激しく理想化します。「こんな人に出会ったことない!」とまるで運命の人を見つけたかのように有頂天になります。しかし少しでも自分の気に障ることがあると途端に「最低だ!」と激しく非難します。つまり中間がないのです。これをスプリッティングといいます。この病気の特徴の一つです。 ではいったいどのように治療していけばよいのでしょうか。次回レポートしたいとおもいます。 堀江賢治 |
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