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HOME>>メンタルヘルス最前線>>パニック障害について 第3回 パニック障害について パート2
突然起こる激しいパニック症状、しかし調べてもどこも異常が見つからないこの病気はいったいどこが悪いのでしょうか? 最近の研究ではいろいろなことがわかってきました。まずいえることは、パニック障害の患者さんの家族もまたパニック障害の可能性が高い、ということです。つまり親がパニック障害であれば、子供もパニック障害になる可能性が高いうことです。なるほど!と思う方も沢山いると思います。親が不安定であれば子供も不安定になる。 幼児期の体験に関してねずみを使った興味深い研究があります。アメリカの研究ですが、生まれてすぐ親と離されたねずみと、親に育てられたねずみを数ヶ月後に比較しました。すると親と離されたねずみはちょっとした刺激に対して異常に興奮しやすいことがわかりました。幼児期の家庭環境はとても大きく影響しているのです。人間も動物も同じなんですね。みなさんももし幼児期のペットを飼っていたらなるべくそばにいてあげるといいかもしれませんね。 しかし影響しているのは環境だけではありません。遺伝子も関係しているのです。遺伝子とはみなさんもご存知のとおり、先祖代々から受け継いできたさまざまな情報を蓄えている小さな因子のことです。親と子の顔が似ているのも遺伝子が原因です。ふたごをつかったアメリカの研究でパニック障害にも遺伝子が関係していることがわかりました。つまり双子のひとりがパニック障害であれば、もうひとりがパニック障害になりやすい、ということです。びっくりですね。生まれつきパニック障害になりやすい人と、そうでない人がいるのです。「ということは子供の頃に将来パニック障害になるかどうかもうわかるの?」と思われる方もいるかもしれません。答えはノーです。研究でも示しているとおり、様々な因子が合わさって病気が発症するのです。だから安心してください。あなたの家族にパニック障害の方がいても、あなたが必ずしもパニック障害になるとは限りません。 では他にはどんな原因があるのでしょうか。とてつもなく恐ろしい、つらい体験をした方がパニック発作をおこすことがあります。戦争や事故などを経験した方が、その場所にいったり、思い出したりしたときにパニック発作が生じるのです。こういう方は意識的につらい体験を思い出させるものを避けようとします。当然ですね。しかし幼児期にこのような恐怖体験をすると、その体験は無意識の奥深くにしまいこまれてしまいます。具体的には幼児期の肉体的・精神的虐待のことです。そのため周りの人もそうですが、本人でさえそのことははっきり覚えていないことがあります。いや正確に言うと思い出したくないのです。しかしそうした葛藤は無意識の世界で今か今かと外に出る機会をうかがっています。それが何かのきっかけにパニック発作としてあらわれるのです。 あとこれはとてもびっくりすることですが、パニック発作は人工的に誘発することができるのです。正確にいうと誘発することができる薬があるのです。乳酸、二酸化炭素、イソプロテレノール、フルマゼニルといった薬です。いくつかの研究で誘発できることがわかっています。恐ろしいですね。研究とはいえ被験者はさぞ怖かったと思います。この命がけの研究から言えることは、パニック発作にはなんらかの化学物質が関係しているということです。精神的な原因だけではないのです。 さていままで得体の見えないこの病気、少しずつ正体がみえてきましたね。遺伝も関係しているし、誘発もできる。また幼児期の強い葛藤も関係している、とても根が深い病気なのです。「じゃあ治らないの?」と心配される方いらっしゃるかもしれません。いえ、適切に治療すればよくなるのです。しかし中には長い年月病気で苦しんでいる方もたくさんいらっしゃいます。ではいったいどのように治療すればいいのでしょうか?次回報告したいと思います。
堀江賢治 |
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