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HOME>>メンタルヘルス最前線>> 精神科の任意入院について

第27回  精神科の任意入院について

精神科への入院と聞くと「騒いで発狂した人が強制的に入院させられる」というイメージを持つ方がいると思います。実際のところはどうなのでしょうか。やはり精神病院は監獄のようなところなのでしょうか?

そこで今回は入院形態のお話をしたいと思います。入院する方法は大きく二つに分類することができます。強制(きょうせい)入院任意(にんい)入院です。強制入院はみなさんご察しのとおり本人が嫌がっても強制的に入院させるものです。それに対して任意入院は本人の希望したときに入院してもらうものです。

実際の入院はどっちが多いのでしょうか?やはり精神病院は強制的な入院がほとんどなのでしょうか? 実は任意入院のほうが多いのです。 2002年の厚生省の統計によると任意入院は全体の約65%、医療保護入院は35%、措置入院は0.8%なのです。 後半の医療保護入院と措置入院が強制的な入院です。 つまり多くの人が自分の意志で入院しているのです。

しかし自分の意志でどうして精神病院に入院するのだろう?と思われるかたがいらっしゃると思います。イメージ的には入院を敬遠したくなりがちです。どんな方が入院を希望するのでしょうか?

これははっきりとした統計はありませんが、やはり統合失調症(昔の精神分裂病)の方が多いですね。前に「統合失調症とは」の項目でその病気について説明しました。幻聴やら妄想やらで大変な病気なのですが、中には興奮して錯乱した状態になってしまう患者さんもいます。そうすると自分が病気かどうかもわからなくなってしまいます。それではどのように統合失調症の患者さんが入院に同意するのでしょう?

任意で入院する人は比較的軽い人が多いのです。軽いと言うことは幻聴や妄想があってもそれを病気と受け止めて、すこし入院して休みたいとか、お薬を調整してほしいと思って入院を希望するのです。そのため再入院の方が多いですね。 退院したあとこの病気のかたは社会復帰することが難しいのです。 それは病気のため強いお薬を飲み続けなくてはいけないし、また病気で精神的なエネルギーがかなり消耗してしまうからです。 そのため退院しても周りの環境で疲れてしまい、一時的に調子を崩すこともよくある話です。

逆に発症したばかりの人は妄想に支配されて「自分は病気じゃない、周りがおかしいのだ!」と病気を理解できないこともよくあります。 その時は強制入院となります。

あと多いのは長期入院の患者さんです。 長期入院とは数年から長くて30年という方もいらっしゃいます。そういう方は病気の方は落ち着いていても、なかなか退院することができません。 長い病気との戦いのため家族からも敬遠されていたり、退院しても行くところがなかったりするため入院しているしかないのです。その場合に任意入院にして入院を継続するのです。

他にはうつ病境界性人格障害の方がそれに続きます。

うつ病の人は自分が病気で苦しいため、入院を希望するひとが多いです。その逆の躁(そう)状態のときは任意入院ではなく強制入院が多いです。本人は気分が高いため「俺は病気じゃない。絶好調だ!」と思っているからです。

最近増えてきたのは境界性人格障害の方です。 この病気の患者さんは自傷行為とよばれ、自分の手首をきりつけたり、お薬をまとめて服用したりすることがあります。  
しかし多くの医師は本当のところこの患者さんが入院することは敬遠します。それは対人トラブルがよくおきるからです。詳しいことは「境界性人格障害とは」の項を参照してください。

以上のように精神科の入院は任意での入院が多いことがわかりました。
「監獄」とイメージを持った方は少しそのイメージがかわったかも知れませんね。

次回は強制入院について説明したいと思います。

 

堀江賢治

投稿日:2006年8月7日

 

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