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HOME>>メンタルヘルス最前線>> EMDRとは 第23回 EMDRとはEMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)とはその名前のとおり、眼球を運動させることで精神的な外傷(psychological trauma)による恐怖感を軽減させる治療法です。 精神的な外傷体験にともなう恐怖感などの不快な症状はPTSD(post traumatic stress disorder)の患者さんにみられます。 日本では阪神大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件で話題になった病気です。人は災害や事件で強い精神的打撃をうけると、そのときの記憶は脳に深く刻み込まれます。何かのきっかけで同じような状況や場所に遭遇するとそのときの記憶がよみがえり、強い恐怖感や不安感が出現します。 EMDRはこのPTSDの治療に用いられます。 具体的な方法は以下のとおりです。 このEMDRは1987にシャピロー(Francine Shapiro)が開発したものです。彼女は公園を散歩中、眼球を動かすことで自分の過去のつらい体験に伴うネガティブな感情が軽減することを発見しました。その後改良を重ね今の治療法が完成したのです。 ではいったいどういうメカニズムなのでしょう。新しく記憶したことは脳の中で加工され保存されます。記憶したとき非常に不快なことでもその過程で加工され、より受けいれやすい状態にして記憶されます。それが学習のプロセスです。私たちは新しくものを学習するとき自然にこのプロセスをおこなっているのです。しかし突発的に非常につよい外傷体験を経験すると、その記憶は未加工のまま保存されます。未加工のためネガティブな感情もそのまま保存されます。この記憶がさまざまな不快な感情をよびおこすのです。EMDRはこの加工プロセスを促進させるといわれています。そうすることで外傷体験をより受け入れやすい状態に加工するのです。 EMDRをおこなうとその途中で非常につよい感情があらわれることがあります。一時的に強いパニック状態になります。泣き出したり感情がほとばしり、非常に不安定な状態になるときもあります。そのためEMDRは専門家の指導のもとおこなうのが望ましいです。 EMDRはPTSDに治療に非常に有効であることがわかっています。一回のセッションで症状が改善することもおおいです。発明者のシャルコーも一回のセッションで十分効果があると主張しています。研究レポートでは3回から4回で70から90%の人に症状の改善がみられたとの報告があります。また治療終了後もその効果は数ヶ月後から数年後でも続いているとの報告が多いです。 下記のホームページがEMDRに関連したものです。 日本EMDR学会 PTSDだけでなくそのほかの恐怖症、うつ病、パニック障害や統合失調症などの病気の治療にも使われるようになってきました。研究がおこなわれその有効性がさらに証明されていくことを期待しましょう。
堀江賢治 投稿日:2006年7月26日 |
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