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HOME>>メンタルヘルス最前線>>弁証法的行動療法(DBT)とは 第13回 弁証法的行動療法(DBT)とは今回は、以前「境界性人格障害」の回で、脚光を浴びている治療法としてご紹介した弁証法的行動療法(DBT)について詳しくご紹介いたします。 弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy:DBT)とはワシントン大学のマーシャ・リネハン博士(Marsha M.Linehan,PhD)によって開発された治療法です。境界性人格障害のみならず、薬物依存や自殺未遂をくりかえす重症のうつ病の方にもつかわれています。現在欧米においてその有効性が立証され、広く支持されている治療法です。では、このDBTとは、いったいどんな治療法なのでしょうか? DBTの治療は大きく分けて4つの要素からなりたっています。 1マインドフルネス(Mindfulness) 2 対人関係のスキル(Interpersonal Effectiveness) 3 苦悩の受容(Distress Tolerance) 4 感情の統制(Emotion Regulation) 1のマインドフルネスとは簡単に言うと「あるがままを受けいれる」ということです。何かつらいことがあると私たちはあれこれ考えたり悩んだりします。私たちの力ではどうしようも出来ないことを「こうあってほしい」と望んだりします。マインドフルネスとはそうしたことを考えず、辛いこともあるがまま素直に受けいれることです。仏教の禅の精神にその起源があります。リネハン博士が東洋の禅の思想に触れてその素晴らしさを精神療法に取り入れたのです。 2の対人関係のスキルとは簡単に言えば、他人との接し方の方法を変えるということです。人格障害の人やそうでなくても他人とうまく関係を築けない人は人とのコミュニケーションの仕方に問題があることが多いです。繰り返しみられる問題パターンに気づきそれを修正していくのです。自己評価が極端に低い人格障害の人も自尊心を傷つけることなくコミュニケーションできるようになるのです。 3の苦悩の受容とはマインドフルネスの応用です。つまり辛いことがあったときそれを素直に受け止めるということです。そうすることでいつまでもくよくよせず、前向きにいきれるのです。しかし言葉ではさらりと簡単にいっていますが、実際はいやなことやむかついたことを素直に受けいれるのは難しいですね。マインドフルネスとは治療に瞑想もとりいれ、毎日訓練することで自然に受けいれる気持ちになっていくのです。仏教的にいえば執着がなくなるということです。東洋の先人達の知恵は凄いですね。 4の感情の統制はその名のとおり、感情をコントロールする方法を学ぶのです。いらいらしてどうしようもなくなったとき、それを押さえ込もうとしてもかえってストレスはたまるだけです。別のことへ頭をきりかえたり、前向きなことを考える時間を増やすのです。また感情が爆発したときに普段とる行動と反対なことをやってみたりします。そうしていくうちに感情がコントロールできるようになるのです。 下記にこの治療法の論文リストを載せましたが、リネハン博士のしらべたところでは、この治療法によって人格障害の方の自殺企図の回数がいちじるしく減少したことがわかっています。日本もいくつかの機関がワークショップをひらいたりしていますが、まだまだ臨床家で行っているのは非常に少ないといっていいでしょう。欧米のすすんだ治療法(もともとは東洋の発想を取り入れていますが)を日本も早くとりいれ普及させてほしいですね。 Linehan, M. M. (1993a). Cognitive-Behavioral Treatment of Borderline Personality Disorder. New York: The Guilford Press. Linehan, M. M. (1993b). Skills Training Manual for Treating Borderline Personality Disorder. New York: The Guilford Press. Linehan, M. M., Armstrong, H., Suarez, A. Allmon, D. & Heard, H. (1991). Cognitive-behavioral treatment of chronically parasuicidal borderline patients. Archives of General Psychiatry, 48, 1060-1064. Linehan, M. M., Oldham, J. & Silk, K. (1995). Dx: Personality disorder-- now what? Patient Care, 29(11), 75-83. Linehan, M. M., Tutek, D., Heard, H. & Armstrong, H. (1992). Interpersonal outcome of cognitive behavioral treatment for chronically suicidal borderline patients. American Journal of Psychiatry, 151(12), 1771-1775. 堀江賢治
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