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HOME>>真宮薬剤師コラム>>くすりの副作用について

副作用について

〈副作用の定義〉

 薬の副作用―――といえば、何だか怖いイメージですね。

 薬局でもらう薬の説明書や、薬屋さんで買った市販薬の説明書を見ると、「出るかもしれない副作用」について色々と書いてあって、何だか見るだけでうんざりしてしまいます。

「副作用が出るとイヤだから、私は薬なんかのまない!」

 なんていう人も、いたりして。

 そこまで極端ではなくても、「この薬、副作用は大丈夫なの?」と心配する人は多いことでしょう。

 じゃあ、みなさんが怖がってる「副作用」っていったい何なんでしょう?

 副作用の定義は「その薬に望んでいる作用とは別の作用が起こること」です。

「痛み止めを飲んだら、胃が痛くなった」

「花粉症の薬のんだら、眠くなっちゃった」

 よくあることですね。頭や怪我したところが痛くて薬をのんだのに、別のところがまた痛くなったら薬をのむ意味って何?という疑問がわいてしまいますし、花粉症の症状は止めたいけど、一日中眠いと仕事や勉強に差し支えます。

 でも、厳密に言えば、副作用のない薬なんてないんです。

 私たちが生きていくのに必要不可欠な酸素や水だって、量が多すぎると毒になりますし、逆に、一般的に毒だと思われているものでも、ごく微量なら薬になったり、人の体に必要な物だったりということもあるのです。

〈薬の作用はひとつとは限らない〉

 知名度の高いアスピリンを例に挙げてみましょう。正式名称はアセチルサリチル酸。日本でも長く使われていて、誰でも一度はお世話になったことのあるバファリンも、アスピリンです。

 アスピリンの作用は以下の通りです。

・解熱作用

・鎮痛作用

・抗炎症作用

・出血傾向、血小板凝集阻害作用

・胃粘膜刺激作用 

 たとえば親知らずを抜いたときなどは、「鎮痛作用」「抗炎症作用」「解熱作用」の3つが「望んでいる作用」です。

 頭痛なら「鎮痛作用」だけで、あとは必要ありませんね。

 だからといって、「自分にはこの作用だけが必要なのだから、後はいりません」というわけにはいかないのが困ったところ。薬をのむということは、その薬が持つ作用が「いる」「いらない」に関わらず、全てセットでついてきてしまうと言うことなのです。

 では「鎮痛作用」だけが欲しいときはどうすればいいでしょう?

 「解熱作用」は平熱よりも高い熱を下げる作用ですので、熱がないならこの作用は起こりません。

 「抗炎症作用」も、炎症を起こしているところがないなら起こりません。

 「出血傾向」は、連続して飲み過ぎていると出てくる作用です。多用している人は気をつける必要があります。

 「胃粘膜刺激作用」一番問題になるのはこれですね。対策は、何か食べてから薬をのむ、胃薬と一緒に飲む、というのが一般的です。

 ただ、薬が効きかたには個人差があります。「頭痛にはあまり効かなかったのに、胃だけは荒れた」という人もいれば、「効いたけど、胃が荒れた」という人、「胃痛? 全然起こらなかったけど?」という人まで様々。

 自分に効く薬と自分に出やすかった副作用はしっかりと把握しておく必要があります。

〈用量について〉

 薬は病気の状態や、患者さんの体格・年齢などで適正な使用量が決まっていて、これを超えると、用量依存性の副作用がおきてしまいます。

くすりの用量

 オーバードース、という言葉をご存じですか? 決められた量よりも大量に自己判断で薬をのんでしまうことです。オーバードースをすることによって、用量依存性の副作用や、中毒、目的の作用の過剰発現などの症状を引き起こしてしまいます。

 「何だか、効きがイマイチだな」と思っても、決められた量以上は決して飲まないようにしてください。

〈誰にでも出る副作用・特定の人にしか出ない副作用〉

 副作用には、大抵の人に出る副作用と、特定の人にしか出ない副作用があります。

 前者は、〈薬の作用は一つとは限らない〉でお話しした、その薬の持つ様々な作用の内、目的の作用でない作用です。これは、個人差はあれど、その薬について回るものです。

 では、特定の人にしか出ない副作用とはどういうものでしょう?

・アレルギー反応

 抗生物質や解熱剤などでじんましんが出たり、ショック症状を起こしたりします。

・その薬の薬理作用とは関わりなく起こる副作用

 飲む前には予測がつきません。誰に起きるのかもわかりません。重篤な副作用は、この「飲んでみないとわからない」「誰に起きるか予測がつかない」ものが多いのです。

〈飲み合わせで発現する副作用〉

 薬の飲み合わせや、食品との組み合わせの相性で、副作用が起きることがあります。「薬の体内での動き」のときにもお話しした、肝臓で代謝酵素を取り合うことで起きる場合や、同じような作用を持っている薬を複数のんでしまったために、過剰な作用がでてしまったりする場合があります。

 これらの副作用は、薬局や病院で、今のんでいる薬やかかっている病気をきちんと説明すること、薬局で渡される「一緒に食べてはいけない食品やサプリメント」の説明を読んで、それを守ることで避けることができます。 

〈副作用からの発展〉

 風邪薬を飲んで眠くなってしまうのは、抗ヒスタミン剤が入っているからです。抗ヒスタミン剤は炎症を抑えたり、鼻水を抑えたりする作用があります。

 薬局で「この薬をのむと眠くなりますので気をつけてくださいね」というと、時々

「いいんですよ、風邪引いてるから、もう寝ちゃいます」と明るく答えてくれる患者さんがいます。こういう患者さんにとっては、風邪薬の「眠くなる」作用は副作用ではなく、望んでいる作用=主作用になるのです。

 そこに注目してできたのが、「ドリエール」などの抗ヒスタミン剤系睡眠剤です。病院で処方される睡眠剤は「要指示医薬品」の中でも、規制の厳しい物ばかり。とても一般薬にはできません。でも、抗ヒスタミン剤なら、風邪薬や鼻炎の薬などで、既に一般薬として発売されています。

 明日、早く起きなくてはならないとき。ちょっと、寝付けないときなどに、手軽に使える「ドリエール」は抗ヒスタミン剤の副作用を見事に主作用に転換させた良例であるといえます。

〈副作用が起きたとき〉

ビタミン剤を飲んで尿の色が黄色くなったり、風邪薬で眠くなったりなどの、最初からわかっていて、問題のない副作用以外の副作用が起きた場合は、すぐに薬を処方してくれた病院に連絡しましょう。ショック症状などの重篤な副作用の場合は、救急車を呼んで、どんな薬をのんでこうなったのかを説明して下さい。

 副作用のない薬はない、とはじめの方でお話ししましたね。副作用は確かに怖いものです。でも、きちんと決められたとおりに薬をのむことでその危険性は格段に下がります。薬の危険性と、必要性―――この2つをよく考え、「副作用が出るから」と頭ごなしに薬を拒否するのではなく、なるべく上手に薬と付き合っていくのが大切なのです。

〈「医薬品副作用被害救済制度」をご存じですか?〉

不幸にして、重篤な副作用が起きてしまった場合、今度はその副作用から健康な状態に立ち直るまでの治療が必要になります。そんなとき、強い味方になってくれるのが「医薬品副作用被害救済制度」

です。

 詳しくは、こちらのサイトをご覧下さい→ http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/help.html

〈続く〉

真宮里沙

 

 

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