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薬の正しい飲み方錠剤やカプセル剤を飲むときは、シートのまま飲んではいけません。必ずシートから出して飲んで下さい。 あ、そこのあなた、笑ってますね。 「そんなことする人、いるわけないでしょ。いちいち言われなくたってわかってるわよ」 いるんです。それも、けっこうたくさん。 薬を包んでいるPTPシート。端っこがとがってて危ないですよね。これをそのまま薬の一部だと思って飲み込んで、食道や胃壁に怪我をするケース、実は皆さんが思ってるよりも多いんです。どれくらい多いかというと、10個入りのシートが今までなら一つ一つカンタンにバラバラにして持ち歩けていたのが、縦の折り線を失くすことによって、カンタンにバラバラにできない=シートは薬の一部ではありませんとわざわざ主張しなくてはならなくなってしまったほどなんです。 こういう勘違いはお年寄りに多いので、ご家族の方がよく目を行き届かせて、事故を起こさないように気をつけてあげることも必要です。 いつも飲み慣れた薬ならわかってるものとして説明しない場合も多いのですが、薬を出すとき、医師は必ずその薬に関する注意を指示します。たとえば、「一日二回食後」と薬袋や処方箋に書いてあっても、「様子を見て、調子がよければ一日一回でも構いません」と指示されることもあります。 また、OTC薬の場合は、添付文書をよく読んで、指示通りに読むようにしましょう。 医師の指示通り・添付文書通りにきちんと薬を飲むことが薬を飲む上で一番重要なことです。 薬局で薬を出されると、毎食後とか朝食後とか、種類によって飲み方がまちまちなことがよくありますね。 「どうして一度ですませられないの?」 確かに、何種類もの薬を飲み方・回数をきちんと把握して飲むのはとても面倒なことだと思います。どの薬も同じ飲み方で済むならとても楽ですね。でも、色々な薬の飲み方があるのには、ちゃんとした理由があるのです。 薬を飲む理由は、できるだけ効率よく症状を抑え、一日中快適に過ごすためです。 今はずいぶんと薬の研究が進み、ゆっくりと長い時間有効レベルを保ってくれる薬が増えてきています。 大体目安はコップ一杯くらい。冷たい水だと、胃の中の温度が下がって薬が溶けにくくなり、また熱いお湯だと消化酵素やタンパク質でできている薬が変化する恐れがあります。ちょっとぬるい、室温程度のが一番丁度よいでしょう お茶や牛乳、ジュース類は薬によっては副作用を起こしたり、薬が効かなくなってしまう恐れがありますのでなるべく避けるようにして下さい。 薬の中には飴のように口の中で溶かして飲むチュアブル錠などの口内崩壊錠というのがあります。「水無しで飲めます!」と、コマーシャルでやってるあれですね。そういう薬はもちろん水無しで飲んでも全然問題ありません。 でも、普通の薬を水無しで飲んで「自分は水なんかなくても薬を飲める」と自慢している人がたまにいます。 病気を治すために飲んでいる薬で、違う病気なってしまったら馬鹿らしいですよね。今まで水無しで薬を飲んでいた人も、これからは多めの水で薬を飲むようにしてください。 ・食前の薬 ・食後の薬 ・食間の薬 ・時間毎に指定された薬 ・頓服 食欲がない、時間がないなどでお昼を抜いて、そのまま薬まで抜いてしまう人がよくいるようです。一般的には、食事をしないときでも薬は飲むようにして下さい。 カプセル剤は、そのままでは不味かったり、匂いが悪かったりして飲みにくい薬を、飲みやすくするために開発されました。 錠剤でも、中身は見えませんが中にはカプセルと同じように、少しでも飲む人のためになるように、様々な工夫が凝らされているのです。また、錠剤は表面をコーティングして、胃ではなく腸で溶けるようにしている場合もあります。 そんなカプセル剤をバラバラにしたり、錠剤を割ったり砕いたりすると、せっかくの工夫が台無しで、効果が薄れてしまったり、副作用が起きることがあります。医師に「一回半錠」など特別な指示が出されていない場合は、カプセルも錠剤も自分で勝手に加工しないようにして下さい。 ちなみに、軟カプセルという種類のカプセルの中身は液体です。うっかり割ってしまって、あちこちに薬液をこぼしてしまわないようにしましょう。 舌下錠とは、普通の錠剤のように水で飲み込んでしまうものではなく、舌の下や頬と歯茎の間に挟んで使う薬です。溶けやすいので、粘膜からすぐに吸収され、狭心症の発作の時などに迅速な効果をもたらしてくれます。 「そろそろ調子もよくなってきたし、もういいかな」なんて、勝手に薬を減らしたり飲むのをやめたりしていませんか?急に薬をやめると、リバウンド現象が起こって、症状がかえって悪化することがあります。また、薬をやめたことにより、今まで薬で抑えられてた症状が出てきたりもします。 「あら、顔色悪いわよ」 そんな風に、自分が処方されている薬を勝手に他の人にあげてしまったりしていませんか? 風邪を引いて、喉は痛いし熱はあるし鼻水は出る。早めに治そうと思って病院へ行ったら、風邪の薬の他に胃薬まで出てきた。私、胃は痛くないんだけど何で?――――そんなことがあったりしませんか? 胃に来る風邪ならわかるけど、胃腸の症状も出てないのに何で胃薬まで? って不思議に思ってしまいますね。 あなたに出た風邪の薬には、解熱の作用や、腫れや痛みを抑える作用のある薬が含まれています。体の中にプロスタグランジンという物質ができて、それが痛みや炎症を引き起こしているのです。そういう薬はプロスタグランジンをやっつけてくれるんですね。 「それ、胃薬と何の関係があるの?」 ところが大ありなんです! 実は、胃を保護してくれてるのはこのプロスタグランジンなんです! 痛みを引き起こす悪者の顔と、胃を保護してくれる善玉の顔と、プロスタグランジンは両方持っているんですね。 「えーーっ? 私、胃が痛いときも痛み止め飲んでた! そういえば、全然効かないどころか余計悪くなっちゃったわ!」 知らないでそういうことをしてしまう人も、時々います。鎮痛剤だったら、痛みには何でも効くと、ついつい思ってしまうんですね。でも、鎮痛剤とプロスタグランジンの関係がわかったのですから、これからは胃が痛いときは胃薬を飲んで下さいね。 ――――と、まあそんなわけで、風邪薬と胃薬はいっしょに出されることが多いのです。 〈タイミングを逃したり、うっかり忘れて、薬をちゃんと飲んでない場合〉 薬をきちんと飲めていないことを医師に伝えましょう。 日本薬局方に収められている、ちょっとびっくりしてしまうもの。 〈続く〉 真宮里沙
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