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感染症とその薬-6-
〈ウイルスとウイルスによる感染症〉Virus はラテン語で「毒」を意味します。これを、ヒポクラテスは病気を引き起こす毒と定義しました。日本では最初、「病毒」と呼ばれていましたが、後にドイツ語読みの「ビールス」と呼ぶようになり、しばらくは「ウイルス」との混在期もありましたが、現在では「ウイルス」で定着しています。年配の方には、「ビールス」の方がなじみ深いかも知れません。 ウイルスによって引き起こされる感染症でもっとも身近なものは、おなじみ「風邪」、そして、冬になると流行するインフルエンザ。STDの中ではHIVや性器ヘルペスなどがあります。 さて、ウイルスとは実際にはどんなものなのでしょう? 名前はよく聞くけれど、正直何なのかあまりよくわからないという方が多いのではないでしょうか? 〈ウイルスの特徴〉ウイルスは他の生き物とは違う部分が色々とあります。 細胞がないということも、その一つです。核酸を持っているのは他の生物と同じなのですが、他の生物はDNAとRNA両方を持っているのに対して、ウィルスはどちらか片方しか持っていません。 細胞がないので、自分でタンパク質を合成することができず、単独で自己増殖することもできません。エネルギーを作り出すためには細胞内のミトコンドリアの存在が必須ですが、細胞を持たないウイルスは当然ミトコンドリアも持っていないわけですから、エネルギーを作ることができません。 自分で増えることもエネルギーを作ることもできないウイルスはどうやって生きていっているのでしょう? 自分でできないなら、他の誰かにやってもらえばいい―――――とウイルスが考えたかどうかはわかりませんが、ウイルスはできないことを全部他の生物を宿主とすることによって解決しているのです。 それではウイルスに寄生された――すなわち感染した宿主の方はどうなるかと言えば、自分の細胞を好き勝手に使われてしまい、細胞レベルのみならず、個体レベルで様々な影響が出てきます。多くの場合、それは感染症の病原体として作用し、宿主はダメージを受けることになります。 〈ウイルスはどうやって増えるのか〉ウイルスが増えるためには、タンパク質の合成、核酸の複製、材料とエネルギーの調達が必要です。 自分ではできないので、宿主の細胞に勝手に入り込みます。細胞に入り込むと、ウィルスのカプシドが分解して、核酸が露出します。 一旦入り込んだらしめたもの。ウイルスは宿主の細胞のタンパク質合成システムや代謝システムを好きなように使い始めます。 そうして、ウイルスは自分のDNA(あるいはRNA)のコピーを作ります。ある程度DNAが増えてくると、今度は自分に必要なタンパク質を宿主の中で作ってゆきます。こうしでできあがったタンパク質とDNA(あるいはRNA)は組み合わせられて新しいウイルスになり、宿主細胞の膜を破って体外へ抜け出していくのです 〈ウイルスへの対抗手段〉細菌の脅威は、抗生物質の発見によって対抗することができましたが、ウイルス感染症に対しては、まだまだ対症療法に偏りがちです。 細菌は体内に侵入したあとも、ヒトと細菌を見分ける細胞壁という便利なものがありましたが、ウイルスにはDNA(あるいはRNA)しかないので、抗菌剤を使ってもウイルスには効果はありません。 しかしそんな中で、現在、様々な抗ウイルス薬が開発されつつあります。現在使用されている抗ウイルス薬は体内でのウイルスの感染や増殖の経路を遮断することで感染を防ぐ効果をもつものが多くを占めます。抗ウイルス薬は、化学療法剤(狭義の抗ウイルス剤)、中和抗体を含む免疫グロブリン製剤、インターフェロンなどの免疫調整剤の3つにわけることができます。 ・化学療法剤 ・インターフェロン ・免疫グロブリン剤 〈身近なウイルス感染予防〉病院で薬をもらう前に私たちが簡単にできるウイルス感染予防法があります。それは、石鹸でよく手を洗うこと! 簡単なのに、威力はすごいんです。 「家に帰ったらよく手を洗いなさい!」 って子供の頃によく言われませんでした? 手を洗うことで、バイキンが落ちるんだろうなーと何となく思ってる方も多いと思います。でも、それだけじゃないんですよ! エンベロープで覆われているウイルスは、エンベロープがなくなってしまうと感染力を失います。このエンベロープは脂質でできているので、石鹸で容易に分解することができるのです。 〈続く〉 真宮里沙
投稿日:2008年2月5日 |
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