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感染症とその薬
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〈クラミジアについて〉
STDの中でももっとも感染者が多いといわれているクラミジア。その原因菌はクラミジア属のClamydia trachomatisという細菌です。潜伏期は1〜3週間です。
クラミジアの一番の困ったところは、症状が出にくいこと。
男性感染者の約半数、女性感染者の約75%が症状がでないため、クラミジアに感染していることに気づかずに、知らないうちに症状を悪化させてしまうのです。今、わかっているだけでもSTDの感染者のトップの座を争っているクラミジアですが、実際に感染している人の数はもっと多いということになるのです!
〈クラミジアの症状〉
症状が出にくいクラミジアですが、全ての人が症状が出ないわけではありません。こんな症状が出たら、もしかしてクラミジアかも? 病院に行ったり、検査キットできちんと確かめてくださいね。
男性の場合
排尿痛があったり、尿道にかゆみや不快感が起こります。その内、何だか白い分泌液や膿が出てきたり……面倒がって放っておくと、クラミジアはどんどん増えていきます。悪化させると、前立腺炎や副睾丸炎になる危険性もあるので要注意!
女性の場合
黄色のオリモノや、悪臭のあるオリモノが出ます。また、出血が見られることもあります。
症状が進むと、増殖したクラミジアは子宮卵管から腹腔内まで進入してゆきます。卵管炎、卵管周囲炎、卵巣炎、卵管周囲癒着などが起こり、不妊症や早産、流産の原因になる危険性があります。
共通の症状
クラミジアは粘膜を通して感染します。通常の性行為で性器感染した場合は、男女で性器は違いますから症状も違ってきます。でも、オーラルセックスで喉に感染した場合は、男女共通で風邪に似た症状を引き起こします。
パートナーが咽喉感染している場合には、キスでもクラミジアは感染します。
〈クラミジアの治療〉
クラミジアの治療には、マクロライド系、フルオロキノロン系の一部、テトラサイクリン系抗菌薬が用いられます。
中でも、近頃は1度の投与で完治が可能な、マクロライド系のジスロマック(azithromycin)が注目の治療薬です。

アジスロマイシン/Azithromycin(ジスロマックス/ZITHROMAX)
〈クラミジアの予防〉
クラミジアの性器感染の予防にはコンドームの使用が一番です。
でも、もっと大切なことは、「ピンポン感染」の罠に陥らないこと!
「ピンポン感染って何?」
それは、ピンポンの球を打ち合うように、パートナー同士がお互いにクラミジアを交互に感染させ合うことです。
どうしてそんなことが起こるのでしょう?
まず、一番ありがちなのが、「症状が出ないから感染自体に気づかなかった」ということです。症状が出にくいことがクラミジアの一番の問題点だとお話ししたのは、こういう理由でもあるのです。
そして、もう一つ大きな理由として、「パートナーときちんと治療について話し合っていない」ということがあげられます。これは、とても重要なことです。
せっかく自分が病院に行って治療しても、パートナーが治療してなければ、また感染してしまうのは当たり前のことですね。
患者さんの中には、「STDになってしまった!」というそのこと自体にショックを受けてしまう方もいらっしゃいます。そして、次に「こんなこと、彼(彼女)には話せない!」と悩んでしまいます。
ショックを受けるのも、悩んでしまうのもとてもよくわかります。
でも、あなただけ治療しても、パートナーが感染に気づかずに放置していれば、感染のピンポンは続いてきます。
パートナーと、クラミジアを共有し続けるのはとっても危険なこと。自分とパートナーの健康のために、「クラミジアに感染している」ことを打ち明ける勇気を持ってください。
そして、もし、パートナーからクラミジアの感染を打ち明けられたら、二人できちんと治療して、ピンポン感染を予防してください。勇気を出して打ち明けたのに、パートナーが治療に積極的になってくれないので、結局ピンポン感染になってしまうこともありがちな話です。そうならないように、二人でしっかりと話し合いましょう。
これは、クラミジアだけの話ではなく、全てのSTDに共通することです。
STDに感染したら、それをパートナーに打ち明ける。そして、二人で治療に取り組みましょう。
クラミジアの治療は、男性は泌尿器科、女性は婦人科ですが、「二人一緒に」性病科にかかるという選択肢もあります。また、咽喉感染の場合は、耳鼻咽喉科でもOKです。
・次回は淋病についてお話しします。
〈続く〉
真宮里沙

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