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感染症とその薬

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〈感染症って?〉

 病原体が人の身体に侵入することで引き起こされる疾患のことを、感染症といいます。

 感染症は、感染した人から、直接又は間接的に別の人へと伝染してゆく伝染性感染症と、人から人へは伝染しない非伝染性感染症の二つに大別されます。

 冬になると風邪やインフルエンザが流行しますね。これらの病気はもっともポピュラーな感染症です。今年の冬は、ロタウィルスやノロウィルスによる感染症もずいぶん話題になりました。こういった感染症は、どんな経路で感染していくのでしょう?

・感染する経路

人から人へ感染

接触して感染(接触感染)

咳やくしゃみで空中に漂った病原体を吸い込んで感染

(空気感染、飛沫感染)

動物・昆虫から人へ感染

土の中などにいて、傷口などから感染

食べ物から感染

〈病原体の正体〉

『バイキンついてるから、外から帰ったら手を洗いなさい』なんて、子供の頃にお母さんによく言われませんでしたか?

 バイキンがついてると、どうして困るんでしょう? 病気になっちゃうからですね。

 その、『バイキン』と何となくひとくくりにして考えられているモノの正体が、「病原体」と言われるものなのです。感染症の原因となる病原体は、下記のように分類されます。

・原因病原体

   1)細菌

   2)ウィルス

   3)真菌

   4)寄生虫・原虫

 『細菌と真菌とウィルスってどう違うの?』

 真菌という名前は聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。わかりやすく一言で言えば、真菌とはカビの一種です。

 そして、いっしょくたにして考えられがちな細菌とウィルス。でも、この二つは実は全然違うものなのです。細菌の大きさは数μm(μm=1/1000mm)ですが、ウィルスはその1/10程度の大きさしかありません。

 真菌と細菌は生物ですが、ウィルスは生物と非生物の間みたいな存在です。どこで見分けてるのかというと、構造です。

 真菌や細菌には細胞がありますが、ウィルスは細胞がなく、自分で増えることができません。生物は細胞を持っていて、自分で増えることができるものなのです。じゃあ、ウィルスは死んでるのか、といえばそうでもないんです。自分で増えることが出来ないのに、他の生物を利用して増えることが出来るのです。何故そんなことが出来るかというと、ウィルスはDNAやRNAを持ってるからなんですね。

 寄生虫といえば、ギョウ虫検査などでおなじみですね。自分よりも大きな動物の体内に入り、栄養を奪って病害を与えながら増えていく動物です。原虫は寄生虫の一種で、一個の動物細胞からなるものを指します。

 詳しいことは、おいおい、各論でお話ししてゆきます。 

〈わかりにくい感染〉

 病原体に感染していても100%発病するとは限りません。これは、病原体と宿主――感染した人――との力のバランスに左右されます。宿主に充分な抵抗力がある場合、感染しても症状が出ず、一見して感染していないように見えます。これを不顕性感染といいます。

 症状が出ている顕性感染の場合、感染している本人も自覚がありますが、不顕性感染の場合、宿主に感染しているという自覚がないため、知らないうちに周りに伝染させてしまうこともあって、感染経路がはっきりせず、対策を立てにくいという危険な側面があります。

 また、免疫などの生体防御機構から逃れ、長期にわたって感染を継続するケースもあり、これを潜伏性感染といいます。治ったように見えても身体の中で病原体がこっそりと隠れていて、宿主が弱っているときに、ここぞとばかり活性化して再発病したりします。潜伏→再発病を繰り返すものを回帰性感染といいます。  

次回からは、性感染症を例に、感染症の薬についてお話ししていきます。

〈続く〉

                                  真宮里沙

投稿日:2007年7月7日

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